本を読むと毎日が退屈せずに済む。
少なくとも、今日まで知らなかったことを知り、考えもしなかったことを考えることができる。
そんな好奇心を刺激される読書にのめり込んでいる。
今回はものすごく短めの本を読んだ。
読書スピードの遅い僕でさえ、ものの30分で読めちゃう。もはや絵本。
『バターはどこへ溶けた?』
有名な人生哲学本『チーズはどこへ消えた』のパクリ感が半端ないが、
「チーズもバターも変わんないだろ♩読んでみよう」と思ってブックオフで購入。200円なら安いもんでごわす。
チーズの方は、図書館で予約中だ。楽しみ楽しみ。
この本は、キツネ2匹とネコ2匹を比較して、人生観の違いを伝える物語だ。
キツネペアは、常にご馳走「バター」を探して、森を駆け回る。
バターはキツネにとって、生きがいなのだ。
もちろんネコペアもバターが大好き。
ある日、キツネが見つけたバターを一緒に食べさせてもらう。
数日はそんな至福の時間が続きましたが、バターは有限。
ある日、なくなってしまう。
「・・・おい、これって俺らが見つけたもんだよな?独占してたらもっとバター食べてるじゃん!!」
自分たちの手柄は全部自分たちのもの!
そう望んだキツネらは居心地の良い拠点を捨て、森へバター探しに行く日々をはじめる。
一方、ネコ2匹はバターが無くなったら無くなったで、
「それでもいいや〜」
みたいな感じで呑気に伸びたり縮んだりする日々を続ける。まあプーさんみたいな感じである。
僕は何もしてないことをしているんだよ
というあの黄色いクマの名言(迷言?)は、今でも僕たちを悩ませる。
そんな日々の中、ふと片方のネコ「ミケ」はキツネに憧れ、バター探しの旅に出る。
自分の力で自分の欲しいものを手に入れたい。このままじっとして生きていくのはゴメンだ。
そう思い、相方の「タマ」と別れて森の奥へ向かっていった。
さて、キツネはその頃には新しいバターを見つけ、うまいこと他の動物を近づけさせずにバターを独占していた。
これで一安心!
そう思って油断していた・・・
ミケはしばらくしてから、タマと過ごした日々が恋しくなってきた。
バターを追い求めるのは大事だが、それよりもタマと過ごしたなんでも無い日々の方がもっともっと大事だ。
そう思って、タマのもとへ引き返した。
すると、タマは相変わらず呑気に伸びていた。
2匹は再会を喜び、タマはミケをある場所へ案内する。
なんと、そこにはたくさんのバターが!!!
タマは、猟師さんに可愛がってもらっており、そこでバターをもらっていたのだった。
猟師さんは、ネコたちに話しかけながら、笑い話がてらにバターを盗もうとしたキツネを殺した話をして、物語は終わる。
この本が伝えたいメッセージは、必死に目標を追いかける日々が身を滅ぼすということだろうか。
夢や希望(バター)を追いかけるつもりが、結局は希望(バター)を失う恐怖から逃げているだけだったのかもしれない。
この物語は
目標や夢、財産にだけ執着する生き方よりも、目標や夢を愛しつつ、友や恋人、家族といられる幸せを求める方が幸せだと伝えているように感じる。
深いことを言っているようでいて、正直物語そのものは浅いと思う。ここから僕らがどう考察していくかで、この物語の価値は変わるのだろう。
一見キツネがバッドエンドに思えるが、他者に媚を売って、他者から分け与えてもらうことを狙ったタマのような生き方もいかがなもんかと思う。
もちろんバターに執着しないというのは大事だが。
他人を蹴落としてでもバターを入手するキツネが殺される様を、まるで金儲けを批判するテーゼとして読み取る人もいるだろうが、僕はそうは思わない。
このキツネたちは金儲けのセオリーから外れてたんじゃないだろうか。
ひたすら目の前の金を手に入れることに固執したら、自分の資産を増やすことと、もう一つ大切なことを忘れてしまう。
マジの金持ちは、他者のために与えることの大切さを知っているのだ。
例えば孫正義や、ビル・ゲイツらは、莫大な資金を多くの人々のために寄付している。
与えることを知っているものは、仲間ができる。
仲間ができると、情報が増える。
情報が増えると、勝負に勝てる。
こんな具合で、自分の金儲けのためにも人に与えることは大切だ。
周囲の人間は蹴落とすべきライバルではなく、味方である。
なんだか対人関係の話に逸れてしまったが、この本を読んで「キツネがダメなやつ、猫がいいやつ」なんて決めるのは早い。
夢は追いかけて良い、良いに決まってる。
正しく追いかければ良いのだ。
仲間を大切にしながら動けば、恐怖にも立ち向かえる。
恐怖を生み出す根幹は、対人関係なのだから。
他者を敵ではなく味方と捉えるだけで、恐怖は消える。
<参考にした本>
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